■平成19年 第4回定例会での一般質問(2007年12月12日)
〔二番伊藤興一君登壇〕
○二番(伊藤興一君) 初めに、乳幼児突然死症候群、SIDSの予防について質問いたします。
元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然死亡してしまうSIDSは、平成七年以来、一歳未満の乳幼児の死亡原因の第三位であり、昨年一年間で百九十四人が亡くなっています。また、都においては、事故、中毒、窒息といった外的要因を除き、一歳未満の乳幼児がSIDSなどの心肺停止状態で救急搬送された件数が過去五年間で二百七十一件に及んでいます。家族を深い悲嘆に突き落とすSIDSや子どもの突然の事故、病気については、その予防対策に全力を注がなければなりません。
厚生労働省の通知を受けて、都は、SIDSを原因不明の病気とした上で、発症の危険性を低減するため、仰向け寝、母乳育児、喫煙防止の三点について母子健康手帳を通して、注意を呼びかけています。
一方、アメリカ国立小児学会は、睡眠時の厚着や毛布のかけ過ぎを避け、室温を上げ過ぎないようにすべきと昨年からその危険因子を追加して警鐘を鳴らし始めています。
こうした状況を踏まえ、都はSIDSを含めた原因不明の乳幼児の突発的な事故、病気について今まで以上に踏み込んだ対策を講じ、かけがえのない幼い命を守るべきであります。都は、昨年度、私が提案した東京都版幼児視界体験眼鏡を作成して都民に配布し、今年度は同じく提案した子どもの事故予防対策を事業化して、日常生活での危険を体験できるシミュレーションソフトが全国で初めて作成されます。
そこで、SIDSの予防についてもこのソフトの中に取り入れるべきと考えます。このソフトの概要とともに、所見を伺います。
次に、子育て支援について質問いたします。
公明党が昨日の代表質問でも取り上げた児童虐待の背景には、子育て家庭の孤立化という問題が潜在しています。特に在宅子育て家庭にとって子育ての負担感が大きいという調査結果や、地域との積極的なかかわりを好まない子育て家庭が多くあることなどに着目し、都は孤立化や虐待を起こさせない社会基盤を整備すべきであります。
そこで、大事なことは、日常の中で心強い相談相手となる親や親戚、地域の方々のみならず、保育園などの施設も含めだれもが身近なところに子育てのパートナーを持つことであります。そのために、例えば、母子健康手帳とともにマイパートナーカードやパートナーガイドを作成、配布するなど、すべての子育て家庭を対象とした支援施策をモデル的に実施、検証し、孤立化防止を着実に推進していくべきと考えます。見解を伺います。
次に、高齢者を支える介護保険制度について伺います。
今後、高齢者の人口は急激に伸び、平成十七年を基準とした二十年後には、全国平均で約二十三万人の増に対し、東京都は五倍の約百十三万人の増が予測されています。そうした中、高齢者を支える介護保険制度は一層重要性を増すことから、高齢者が安心して利用できる介護制度を確立していくことが重要であります。
介護サービスは、いうまでもなく、介護事業を行う事業者と現場で働くヘルパーなどの従業員が最前線で制度の土台を担っています。許しがたい悪質事業者は介護保険制度から退場させなければなりませんが、多くの事業者は誠実に、そして従業員の方々は一生懸命に、誠意を持って利用者の介護に当たっているのが現実です。
しかし、平成十二年に介護保険制度がスタートして以来、制度の見直しや介護報酬の改定がたびたび行われ、一人の高齢者の介護メニューを一つ実施するためにも、場合によっては数十枚の書類を作成しなければならず、報酬も実態に合っていないなど、介護の現場は極めて厳しい対応に追われています。また、介護従事者が八千人も減少しているという現実もあります。こうした事態が続けば、介護事業者や従事者の存続が危ういという事態になることは目に見えております。
都は、事業者に対して、法令遵守など適正な事業運営を求める立場にあります。しかし、一方的に求めるだけでなく、介護現場の実情や抱える問題など、まさに事業者や従事者といった現場の人たちの声を、さまざまな機会をとらえて直接聞いていくべきであります。所見を伺います。
以上、少子高齢分野に絞って伺いましたが、生まれてくる子どもを社会全体で守り、また、高齢者を支える介護事業者や従業員が抱える課題にも目を向けていくことが大切であります。
そこで、福祉分野の最後に、今後の東京の福祉の最大の課題となる少子高齢社会対策について、知事の所見を伺います。
次に、特別支援学校について質問します。
第三回定例本会議の代表質問において、都議会公明党は、初めて特別支援学校における放課後の居場所づくりについて取り上げました。教育長からは、実現可能な仕組みを具体的に検討していくとの答弁があり、多くの保護者から喜びの声が寄せられております。
先日公表された東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画では、新規施策として、都立特別支援学校における児童生徒等の放課後の居場所づくりについて、外部の教育力を生かした仕組みづくりを検討していくとしています。放課後の居場所づくりについては、障害の種別や家庭の事情などさまざまな課題がありますが、制度のはざまで対策がおくれていた子どもたちや保護者にとって、選択肢が広がるということは画期的であります。
そこで、都教育委員会は、特別支援学校における障害児の放課後の居場所づくりに向け、来年度から早速モデル事業を開始すべきであります。見解を伺います。
一方、公明党が提唱し、今年度創設された放課後子ども教室は、地域のすべての小学生を対象とするものですが、受け入れ規模は実施主体である区市町村の判断によるため、現状では特別支援学校の児童の受け入れはほとんど進んでおりません。特別支援教育の理念からも、居住する地域においても子どもたちが放課後子ども教室に参加できるよう、都としても受け入れの促進を図るべきと考えます。所見を伺います。
次に、公共交通の利便性の向上について質問いたします。
「十年後の東京」では、交通インフラのゆとりを生かし、快適で環境に負荷をかけない都市生活を実現するとしています。その実現のためには、発達した東京の交通機能を最大限に活用して、公共交通の利便性をさらに高め、利用促進を図っていくことが重要であります。
首都圏では、ことしの三月からICカード乗車券PASMOが導入され、ほとんどの鉄道とバスが一枚のカードで利用できるようになり、現在では、Suicaと合わせて二千九百万枚も普及しております。一枚のICカードは、交通のみならず、電子マネーなどさまざまな情報・利便拡充の可能性があります。こうしたICカードをさらに活用するなど、サービスの充実により公共交通の質の向上を図っていくことが重要であると考えます。所見を伺います。
都営交通では、PASMOの導入に伴い、電子マネー機能を生かして花粉症対策に活用しております。こうした取り組みをさらに発展させ、ICカードを利用したサービスとして、都の施策と都民のニーズを合致させた利点をICカード乗車券に付加し、都営交通の利用を促進していくべきです。
東急電鉄や小田急電鉄では、PASMOを利用して、子どもが改札機を通ると、その情報を保護者等に伝えるサービスを行っておりますが、都営交通においても、こうしたサービスを、子どもだけでなく、ストーカー被害が心配される女性や高齢者、障害者の見守りシステムの一環としてサービスの拡充を検討すべきであります。見解を伺います。
次に、小笠原振興について伺います。
私は、去る十月、都議会公明党調査団の一員として、小笠原諸島振興開発計画の進捗状況の確認を行い、世界自然遺産登録のほか、村民の目線から諸課題について現地調査をしてまいりました。
世界自然遺産に向けては、小笠原の自然が恒久的に保全されていくような取り組みの強化が大切であると痛感いたしました。何より外来種対策が喫緊の課題ですが、特定の外来種根絶までには相当の年数がかかるため、対策は世界自然遺産登録後も視野に入れ、実効性を高めていく必要があります。また、村民や島を訪れる人が遺産について理解を深め、自然を守っていこうという意識の向上も図っていくべきであります。あわせて所見を伺います。
都は、ことし六月、二十五年ぶりに南硫黄島の調査を行いました。都は、ここで得られた成果を小笠原の自然価値の証明だけに活用するのではなく、ありのままの自然の姿を子どもたちや多くの都民にも積極的に伝え、発信していくべきであります。所見を伺います。
次に、小笠原村の情報通信について伺います。
現在、村の各家庭に光ケーブルが配備され、村の情報ネットワークが推進されております。しかし、肝心な内地との通信体系は、インターネット、テレビ放送ともに依然として衛星に頼っております。
インターネットにおいては、速度が遅く、時間がかかり、通信料も高額となっています。村民との懇談の中で、ある教員からは、授業の中で情報を活用するための資料を生徒とともに検索するが、時間がかかり、検索だけで授業時間が終わってしまったという事例や、島内でだれかが大容量の通信を行うと、他の通信が非常に遅くなってしまうといった問題点が出されました。また、テレビ放送については、二〇一一年のデジタル化に向け、整備が間に合うのか非常に心配です。こうした情報通信の課題を一刻も早く解決するためにも、海底ケーブルの設置など、具体的な整備に都と国が全力を尽くすべきであります。見解を伺います。
また、父島に唯一の扇浦浄水場は、かなり老朽化しており、さらに海面に近い位置にあり、津波などによる水没の危険が指摘をされております。二千人の島民と来島者などの生命の源となる安全な飲料水の確保について、都は着実な支援を行うべきであります。所見を伺います。
次に、島しょ振興に関連して、三宅島のモーターサイクルイベントについて伺います。
このイベントには、都議会公明党からも三名が三宅島に行きましたが、エキサイティングな走行や、声援を送る島民の姿に大きな感動を覚えたとのことでした。このイベントは初めての試みでありましたが、事故もなく、十分に成功したといえます。島の復興の観点から、今回の具体的成果について所見を伺います。
復興の起爆剤にとの趣旨からすれば、今後も継続して実施し、島の名物として定着を図る必要があります。例えば、子どもたちが参加できる内容を新たに盛り込むことや、よりショーアップする工夫などにより、イベントの魅力はさらに増すと思います。継続実施に向け、都は、企画内容を含めて島の取り組みを積極的に支援すべきであります。所見を伺い、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
○知事(石原慎太郎君) 伊藤興一議員の一般質問にお答えいたします。
少子高齢化対策についてでありますが、人口減少時代がもう現実のものとなりまして、人口の右肩上がりを前提とした我が国の社会システムというものを、新しい時代に見合ったものへと変革していかなきゃならない時期に差しかかってまいりました。これはもう焦眉の問題だと思います。
都はいち早く、サービスの利用者を重視した福祉や医療の改革を進めてまいりましたし、民間、地域、行政それぞれの力を最大限に生かした効率的、効果的な施策を展開してきたつもりでございます。
今後、将来を担う子どもたちが健やかに育ち、高齢者も安心して暮らせる社会の実現に向けて、大都市東京にふさわしい福祉・保健・医療サービスをさらにきめ細かく充実し、確かな安心を次の世代に引き継いでいきたいと思っております。
他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
〔教育長中村正彦君登壇〕
○教育長(中村正彦君) 二点についてお答え申し上げます。
まず、放課後の居場所づくりの実施に向けた検討についてであります。
お話のとおり、都立特別支援学校における放課後の居場所づくりを含め、外部の教育資源を活用した特別支援学校を支援する仕組みづくりを第二次実施計画で新規に打ち出したところであります。
児童生徒等の自立と社会参加を促進するに当たっては、教員だけでは限界がありまして、学校を利用した放課後の居場所づくりや、土曜日、日曜日、長期休業中の余暇活動など、さまざまな場面を通じて幅広い社会の多様な人々の支援を受け、交流や連携を進めることが重要であります。
これらの事業につきましては、早急にモデル事業を実施し、その成果を踏まえ、都立特別支援学校が地域の理解と協力を得ながら定着していくことを目指してまいります。
次に、地域の放課後子ども教室での受け入れ促進についてであります。
都教育委員会では、平成十九年度においても、東京都放課後子ども教室推進委員会を活用いたしまして、障害児の受け入れに関する課題検討を行うとともに、放課後子ども教室を支えるコーディネーターや安全管理員等を対象に、障害児理解をテーマとした研修を実施してきたところでございます。今後も、引き続きこうした取り組みを充実させるとともに、各区市町村の障害児の受け入れの先進的な取り組み事例などを紹介するなど、情報提供を拡充してまいります。
さらに、国に対しても、放課後子ども教室の制度趣旨の徹底を図るとともに、障害児の受け入れ促進につながるバリアフリー化や介護への補助等の条件整備を行うよう、強く要望してまいります。
〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕
○福祉保健局長(安藤立美君) 少子高齢化問題など四点についてお答えをいたします。
まず、子どもの事故予防のためのシミュレーションソフトについてでございますが、このソフトは、子どもの目線の疑似体験などを通じて、保護者が身近な日常生活で起こり得る子どものさまざまな事故の予防策をわかりやすく学べる内容で、来年一月に完成する予定であります。完成後は、子育て中の親が地域でソフトを利用できるよう、区市町村における事故予防教室の開催や、事故予防コーナーの設置などの取り組みを支援し、普及啓発に努めてまいります。
乳幼児突然死症候群、いわゆるSIDSの予防策につきましてもソフトの中に取り入れ、保護者の注意を喚起してまいります。
次に、子育て家庭の孤立化防止についてであります。
核家族化や近隣関係の希薄化が進む中、子育て家庭の地域での孤立化を防ぐためには、身近で相談できるパートナーを持つことが有効であります。このため、都は、あらかじめ登録を行った子育て家庭が、民間保育所で育児相談、保育所体験などのサービスを受けるパートナー保育登録制度を創設いたしました。
また、ご提案の子育てのパートナーを明示するカードや、パートナーの手引書の作成などについて、地域の実情に応じて自主的に取り組む区市町村を支援するとともに、こうした先駆的な取り組みについて周知を図ってまいります。
今後とも、都は、子育て家庭の孤立化の防止に向け、実効性のある施策を着実に推進してまいります。
次に、介護サービス現場からの意見の把握についてでありますが、都はこれまでも、介護サービス事業者の団体からの提言や要望、また、区市町村が実施をしている事業者連絡会での情報などを含め、介護サービス現場の現状把握に努めてまいりました。
さらに、平成十八年の介護保険法の改正により、事業所の指定更新制度が導入されましたことから、都は今月から、更新対象事業所の管理者等を対象とした研修会を順次開催することとしており、この機会を活用し、ご指摘の事業者の意見や現状を把握するためのアンケートを実施いたします。これらにより得られた意見等を、介護保険制度の円滑な運営や、国への提案要求の際の参考としてまいります。
最後に、父島における安全な飲料水の確保についてであります。
父島におきましては、小笠原村が経営する簡易水道事業により飲料水を確保しており、都はこれまでも、村の水道施設の整備への財政的、技術的支援を行ってまいりました。また、現在、村に対しまして、安全な水の供給確保など、水道事業の目指すべき将来像と具体的な方策や工程を示す長期計画であります地域水道ビジョンを平成二十年度までに策定するよう指導しております。
今後とも、小笠原村が安全な飲料水を提供できるよう、この地域水道ビジョンに基づき実施をする老朽化した浄水場の施設整備等に対しまして、必要な支援を行ってまいります。
〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕
○都市整備局長(只腰憲久君) 公共交通の質の向上についてでございます。
公共交通は、都民の日常生活や経済活動にとって大変重要な都市インフラでございます。都はこれまでも、交通事業者とともに、駅施設のバリアフリー化や地下鉄の駅ナンバリング導入など、利便性の向上に努めてまいりました。
お話のICカード乗車券でございますが、首都圏のほぼすべての公共交通機関で利用できるなど、利便性の高さから広く普及しておりまして、その多様な活用の可能性につきまして、国や鉄道事業者などと情報の交換をしていくことが有益であると考えております。
今後とも、ハード、ソフト両面にわたる総合的な観点から、東京における公共交通の質の向上を推進してまいります。
〔交通局長島田健一君登壇〕
○交通局長(島田健一君) PASMOなどのICカード乗車券を利用したサービスについてお答えいたします。
交通局ではこれまでも、ICカード乗車券について、都の行政施策に活用できるものにつきましては、検討の上、その実現を図ってまいりました。具体的には、都立施設の入園料の支払いや都営地下鉄駅構内の店舗等での買い物にICカード乗車券を利用していただきますと、その料金の一部が花粉の少ない森づくり運動に寄附される取り組みであります。このように、行政施策と連携が可能なものにつきましては、引き続き協力してまいります。
ご指摘の東急電鉄等のサービスにつきましては、今後の利用状況や費用対効果等を把握するなど、総合的に勘案し、検討してまいります。
〔環境局長吉川和夫君登壇〕
○環境局長(吉川和夫君) 小笠原諸島の自然に関する二点のご質問にお答えいたします。
まず、世界自然遺産についてでございますが、小笠原諸島の自然を遺産として登録し、登録後も適正に保全していくためには、これまで以上に実効性の高い外来種対策の実施と、地元住民などの自然遺産への理解と協力を深めることが不可欠であると認識しております。
外来種対策につきましては、現在の種ごとの対策に加え、新たに、環境省、林野庁、小笠原村と共同して、島ごとに重点的に取り組む内容を取りまとめ、きめ細かに連携をとりながら実施してまいります。
また、地元住民や来島者の意識を高めていくため、今年度、遺産としての価値を解説したパンフレットを作成し、村の全世帯や客船の乗客などに配布して普及啓発に努めておりますが、来年は小笠原返還四十周年に当たることから、この機をとらえ、小笠原村と連携し、さらなる普及啓発に努めてまいります。
次に、南硫黄島自然環境調査結果の活用についてでございますが、独自の進化を遂げている新種のカタツムリが生息するなど、世界でも類を見ない南硫黄島の自然環境は、世界自然遺産に値するだけでなく、人間の影響を受けていない生態系の姿などを学ぶことのできる貴重な自然教材であると認識しております。
現在、手つかずの自然の様子をホームページで公開するとともに、各種イベントでも紹介しておりますが、今後、詳細分析した内容も加え、その生態系のすばらしさなどについて、次世代を担う子どもたちを初め多くの都民の理解が深まるよう、調査隊員の体験談や動画を活用するなど、より一層工夫して情報発信してまいります。
〔総務局長押元洋君登壇〕
○総務局長(押元洋君) 島しょ振興に関する三点のご質問にお答え申し上げます。
まず、小笠原における情報通信体系の整備についてでございます。
地理的条件、経済性などから、本土と小笠原間のブロードバンド化が進んでいない状況にありまして、都といたしましては、小笠原の情報格差の解消を重要な課題と認識しております。この問題につきましては、国の検討会が、小笠原の情報通信環境の整備に関して基礎資料を取りまとめたところでございまして、今後は関係機関の間で具体的な調整を図ってまいります。
次に、小笠原村のテレビ放送につきましては、平成八年四月から通信衛星を利用した地上波放送の視聴が可能となっておりますが、ご指摘のとおり、平成二十三年の七月に予定をされております地上波デジタル化への完全移行に伴い、現行の設備では視聴することができなくなります。
このため、本年四月に、国、都、小笠原村、放送事業者等関係者から成る専門部会を設置いたしまして、今後のあり方について協議を開始したところでございます。現在、技術的課題などの調査を行っておりまして、平成二十三年の完全移行に向け、伝送方法、事業主体、運営方法などにつきまして、関係者間で具体的な検討を進めているところでございます。
次に、三宅島モーターサイクルフェスティバルの成果についてでございます。
イベント期間中は、関係者を含め一千人近くの方が島を訪れました。オープニングパレードでは約千六百人もの島の方が沿道で声援を送るなど、参加者との親密な交流が繰り広げられまして、最終日には島民の熱烈な見送りが桟橋で行われるなど、大きな盛り上がりを見せたところでございます。
このイベントの成果といたしまして、三宅村では、かつてない大規模なイベントを成功させたことが島民に強い自信となったこと、また、島の復興ぶりと観光地としての魅力を広く全国にアピールすることができたことなどを挙げております。東京都といたしましても、今後、多くの観光客を呼び込み、島を活性化させる大きな足がかりになったものと考えております。
最後に、三宅島モーターサイクルフェスティバルに対する支援についてでございます。
今回イベントに参加した方々からは、ぜひ来年も開催してほしい、三宅島へまた来たいという声が相次いでおりました。また、島民の間でも、継続して実施することへの期待が高まっております。三宅島では、今回の成果を踏まえ、来年はさらに、島の内外を問わず、子どもたちを含めた幅広い年齢の方々が楽しめるようなイベントとなりますよう、次回の企画を検討すると聞いております。
都といたしましても、観光振興に大きく貢献する三宅島ならではのイベントとして定着をするように、こうした取り組みを引き続き積極的に支援してまいります。