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■平成23年 第1回定例会での一般質問(2011年2月16日)

◯五十九番(伊藤興一君) 初めに、だれもが読み書きに困らない社会の実現に向けた取り組みについて質問します。

 私たちは、情報の八割を、目を通じて得ているといわれております。一方、都内には、視覚障害者が約四万人おり、また、高齢者も急速に増加する中、読み書きに困難を伴う人が支援を必要としている現状があります。
 先日、ひとり暮らしの全盲の視覚障害者をお世話している方から相談がありました。それは、視覚障害に加えて脳梗塞を発症し、手の麻痺のため、今まで読めていた点字さえも読めなくなってしまい、生命保険や銀行の手続を手伝うため、その方が同行しましたが、代筆での手続はできないという事態に直面したということでありました。金融庁は、全国の金融機関に対して、視覚障害者の利便性向上の取り組みを要請しておりますが、代筆の対応方法など整備が進んでいない現状があります。
 一方、成年後見制度がありますが、この制度は、知的障害、精神障害、認知症などにより、判断能力が十分でない方に援助する人をつけてもらう制度であり、この方のように、判断能力に問題がない視覚障害者にとっては、現行の制度では十分な支援が行き届いていないのであります。
 こうしたことは、障害者だけでなく、一部高齢者の中でも課題となっています。例えば、税金や健康保険、公共料金などの重要なお知らせが届いても、細かい文字が読めずにそのまま放置してしまったり、また、書類の狭いスペースに文字を書き込めないために、やりたいことをあきらめざるを得なかったりと、日常生活の中で困難に直面している実態があります。
 時には、信頼できる友人やボランティアの善意に支えられている側面もありますが、個人情報など知られたくない情報もあり、だれでも構わず代読や代筆を頼めるわけではありません。
 福祉行政を推進する都として、だれもが読み書きに困らない社会の構築を目指すべきであります。作家としても活躍されてきた知事の所見を伺います。
 そして今、必要となることは、一定の講習や研修を受け、守秘義務の知識や代読、代筆の技術を習得した専門性を有する読み書き支援員を養成することであります。
 都は、視覚障害者や高齢者などが、読み書きが困難なときや契約、金銭管理等で不利益をこうむったりトラブルに巻き込まれたりすることがないよう、全国に先駆けて、身近な地域で支援していく仕組みを構築すべきであります。見解を求めます。
 また、行政に関する申請手続は、煩雑な上に専門性が必要となることがあります。こうしたことについては、専門職である行政書士によって代行手続が円滑に進められるよう、関係機関に働きかけていくことを提案します。

 次に、特別支援教育の推進について質問します。
 私は、平成二十一年第三回定例会において、障害者が災害や不測の事態に遭遇し助けを求めたいときに、周囲の人が気づき支援しやすい環境を広域的に整えるよう、都に提案しました。それは、障害者の就労、社会参加が促進される中、一人で交通機関を利用する人がふえているほか、特別支援学校に一人通学をしている生徒もたくさんいるからです。
 こうして地元を離れ、社会参加へ向かう障害者の方々は、途中でゲリラ豪雨や地震などの自然災害や交通機関の事故、故障によるダイヤの乱れなど、ふだんとは違う状況に遭遇すると、駅やまち中で立ち往生してしまったり、パニックに陥ったり、時にはとんでもないところで迷子になって発見されるという事例も少なくありません。
 私は、生徒が特別支援学校卒業後も安心して社会生活を送ることができるよう、在学中から通学や移動の際、困ったときに意思表示ができる実効的な安全教育を推進するよう求めてきました。
 そこで、都の取り組みを明らかにするとともに、今後はさらに、社会参加への移行が円滑に進められるよう取り組みを強化すべきであります。見解を求めます。
 また、今後、学校を卒業した後、実際に社会参加する障害者と家族が安心できる環境を整備する必要があることから、障害者自身が支援を求めるヘルプカードや支援する側の対応を示したガイドラインを都が作成し、広域的、実効的な支援対策を講じるべきと要望します。
 都議会公明党は、これまで、特別支援学校における放課後等の居場所づくりについて、都の取り組みを求めてきました。今年度は、複数の特別支援学校において、放課後や土日、休日などで放課後活動が本格実施され、来年度からは、特別支援教育推進計画第三次実施計画に位置づけられる中、着実に事業の推進が図られていきます。
 本年四月には品川特別支援学校が開校され、知的障害がある小中学生が、新たに完成する学校に通うことを楽しみにしております。そこで、こうした新たな特別支援学校においても早期に放課後の居場所づくりが実施できるよう、都の支援を一層推進すべきと考えますが、見解を求めます。

 次に、災害対策について質問します。
 東京消防庁の平成二十二年中の火災概況、速報によれば、都内の火災発生件数は前年比五百十九件減の五千八十二件であり、死者、負傷者とも減少しています。これは、昨年四月に義務化された住宅用火災警報器の設置促進により、早期発見、早期対処の成果が出たものと考えます。
 地域によっては消防署と消防団、町会などが連携してローラー作戦を展開し、設置率が九割近くまで達しているところもあります。しかし、一方では、残る一、二割をどう達成するのかに苦慮しており、また、いまだ極端に設置率が低い地域があるなどの課題が残っております。
 火災による犠牲者のうち、六十五歳以上の高齢者が約六割を占めている現状を踏まえ、都は、未設置家屋の所有者に対しては防火診断を実施したり、設置世帯には機器のメンテナンスの必要性を指導するなど、これまで以上に防火、防災対策を強化すべきであります。見解を求めます。
 地域の防災力を高めていくこととともに、首都直下地震や大災害に備えて、広域的に対策を強化していくことが重要であります。一方、災害で被害を受けられた被災者へのきめ細かな支援体制を構築していくことも重要であります。
 そこで、都民の最も身近な行政窓口である区市町村が、被災者支援を円滑に進められるよう、都は積極的に支援すべきであります。見解を求めます。
 阪神・淡路大震災から十六年が経過しました。私は、友人のご両親を救出するため、地震発生の翌日に被災した神戸市に行きましたが、今でも脳裏に焼きついて離れない光景があります。それは、一瞬にして家や家財、衣服や家族の思い出の物までも失い、今を、そして今後を、何をどうすればいいのかわからず、気を失うほどのショックを受けていた人々の姿であります。
 こうした場合、多岐にわたる心配や不安を抱えたまま、家族の安否はここで、メンタルケアや健康面の問題はここで、住まいや生活についてはここで、といった対応ではますます心配が広がってしまいます。
 災害対策の総合調整を図る都は、災害発生時の初期段階から被災者の心情に寄り添い、円滑に具体的な支援を行い、その後の生活再建につなげていける総合的な知識を持った被災者支援ワーカーを配置する仕組みの構築と、そのための人材育成に取り組むよう提案します。

 次に、東京の魅力を世界に発信する観光施策の推進について質問します。
 ことしの年末に完成予定の東京スカイツリーが脚光を浴びる中、長年、東京の観光の代表的な名所となっている東京タワーは、高度経済成長期からバブル崩壊期など、激動の時代の中で懸命に生きてきた人たちのさまざまな思いを見守り続け、都民のみならず、日本人の大切な心のふるさととなっています。
 また、四季折々のライトアップで都民や観光者を楽しませ、乳がん撲滅の象徴であるピンクリボン運動の照明など、都が進める施策にも積極的に協力しています。
 東京スカイツリーにデジタル電波、本局機能が移行された後も、東京タワーは事故、災害時等の予備電波塔として、また、新たな時代の電波利用に対応するなど、首都圏における安全・安心の放送インフラを維持向上させていくため、欠かせない役割を担う施設であります。
 また同時に、年間有料入館者数が三百万人を超える東京タワーは、これからも大事な観光資源であり、永続的に存続できるよう支援していくべきであります。
 そこで、都は、東京タワーを初めとした従来からの貴重な観光資源を、今後も東京の観光振興の重要な財産として活用していくべきであります。見解を求めます。
 また最近では、日本じゅうでタワーブームの波が高まっており、全国各地の主要二十タワーに訪れる観光者は、年間九百五十万人にも達しています。
 さらに、タワーを活用した観光振興は、世界じゅうで活発に行われています。ことし十月には、フランスのエッフェル塔やカナダのCNタワーなど、世界的に有名な三十以上のタワーの代表者が一堂に会して情報交換し、観光の魅力をレベルアップするため、世界大タワー連盟総会が東京で開催されます。
 観光立国を目指す日本の首都東京は、こうした世界的な観光振興の取り組みを積極的に支援すべきであり、この機会に、東京の魅力を世界に向けてアピールすべきであります。あわせて見解を求め、質問を終わります。(拍手)

   〔知事石原慎太郎君登壇〕

◯知事(石原慎太郎君) 伊藤興一議員の一般質問にお答えいたします。
 だれもが読み書きに困らない社会の実現についてでありますが、人間は、だれしも他人とのかかわりの中で生きているわけでありまして、この社会の中の連帯という人間のかかわりをつなぐものが、いずれかの手だてによる伝達コミュニケーションであります。
 その手段は、言葉や文字にも限りませんで、例えば、盲ろう者の東大教授の福島智さんにとっては、それはお母さんが開発した指点字でありましたし、また、全盲のピアニスト辻井信行さんにとっては、ピアノの音でもあります。
 さらに、筋ジストロフィーという非常に厄介な病気にかかった方々は、それが進みますと全身が動かなくなって、ただ目だけがまばたきできるわけですが、これも字を指すことで、何というのでしょうね、自分の意思表示をまばたきで伝えて、字の選択によってコミュニケートすると。
 いずれにしろ、高齢や障害などによりまして言葉や文字による意思の疎通が困難になった人に対しても、その障害を解消し、社会の一員として生活できるように手だてを講じることが必要だと思います。
 思いやりの心から世界最先端の情報通信技術に至るまで、日本が誇るさまざまな力を活用しながら、だれもが必要なときに互いに意思を疎通する、コミュニケーションできる、そういう社会の実現を目指していきたいものだと思います。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。

   〔教育長大原正行君登壇〕

◯教育長(大原正行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、特別支援学校の生徒や卒業生の通学や移動における安全教育についてでございます。
 障害のある生徒が社会的に自立していくためには、電車やバス等の公共交通機関を利用して、一人で安全に通学や移動ができる力を育成するとともに、学校で学んだ災害や不測の事態等への対処方法を、卒業後の社会生活につなげていくことが重要でございます。
 平成二十一年第三回定例会におけるご質問を受け、都教育委員会は、知的障害特別支援学校に対し、安全教育の充実について周知徹底を図りましたところ、すべての学校において、生徒が一人通学を始めるに当たって、困ったときに緊急連絡カードなどを使って自分の意思を適切に伝え、助けを求めることなどの指導が実施されるようになりました。
 こうした取り組みの結果、通学の途中でぐあいが悪くなった生徒が、周囲の人に助けを求めて保護されるなど、具体的な成果が報告されております。
 また、すべての知的障害特別支援学校では、生徒が在学中に身につけた力や、必要とする支援等の情報を就労先や地域の関係機関に引き継ぐ個別移行支援計画を、卒業生一人一人について作成し、生徒の卒業後の生活を支援しておりますが、災害時等への対応には不十分な面がございます。
 今後、都教育委員会は、昨年十一月に策定した特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づき、高等部を卒業した生徒が、卒業後も安心して社会生活を送ることができるよう、安全教育の充実や災害等への対処方法のあり方について検討する委員会を設置し、検討の成果を個別移行支援計画に反映させてまいります。
 次に、都立特別支援学校における放課後等の子どもの居場所づくりについてでございます。
 特別支援学校の児童生徒が、放課後等に多くの人々と交流し、さまざまな体験をすることは、自立と社会参加を促す上で大変有意義でございます。
 一方、特別支援学校において、小中学校と同様に放課後子ども教室を実施するためには、保護者、地域住民、ボランティアなどにより、活動を安定的に実施できる体制を確立していくことが課題となります。
 都教育委員会は、こうした体制整備に向けた支援を行い、放課後子ども教室を拡大していくために、今年度は六校において、放課後等活動支援推進事業を実施しております。
 今後、品川特別支援学校など新しく開設する学校を含め、その他の学校についても学校と緊密な連携を図りつつ、放課後等活動支援推進事業による支援や、他校における取り組み事例の情報提供などを行い、特別支援学校における放課後等の居場所づくりを着実に推進してまいります。

   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

◯福祉保健局長(杉村栄一君) 視覚障害者や高齢者等に対する支援についてのご質問にお答えを申し上げます。
 障害や高齢などによりまして、読み書きが困難であっても、身近な地域で安心して生活が送れるようにすることは重要でございます。そのため、都は、区市町村が支援の必要な高齢者や身体障害者に対しまして、福祉サービスの利用援助や日常金銭管理等のサービスを行う場合に独自に補助を行っており、現在、三十二区市が実施いたしております。
 今後、未実施の区市町村に対し、事業実施を働きかけますとともに、都民への事業の周知を図ってまいります。
 また、お話の視覚障害者や高齢者等の支援の担い手でございます生活支援員に対しまして、代読、代筆の知識習得を図るなどの研修を充実してまいります。

   〔消防総監新井雄治君登壇〕

◯消防総監(新井雄治君) 住宅用火災警報器の設置に関する取り組みについてでありますが、東京消防庁では、住宅用火災警報器設置推進本部を設け、挙庁体制で取り組むとともに、消防団や町会、自治会などと連携し、積極的な普及活動を行ってまいりました。
 この結果、消防に関する世論調査における直近の設置状況は七九・四%であり、一昨年に実施した同調査と比較し、三一・三ポイント上昇しております。
 一方、いまだ住宅用火災警報器を設置されていない方は、設置しない理由として、必要性を感じない、価格が高い、あるいは義務化を知らないなどを挙げられており、それぞれへの対応が大きな課題となっております。
 このため、住宅用火災警報器の有効性を積極的に広報し、設置の動機づけを図るとともに、消防職員が行う防火防災診断等による戸別訪問指導、共同住宅の所有者等に対する指導文書の交付の徹底、町会、自治会などによる共同購入や取りつけ支援のさらなる促進など、設置しない理由に応じた具体的な対応を強化し、未設置世帯の早期解消を図ってまいります。
 また、設置後の維持管理につきましては、メンテナンスカードを配布するなどいたしまして、定期的な点検の必要性や電池切れの際の対応について、引き続き周知に努めてまいります。

   〔総務局長比留間英人君登壇〕

◯総務局長(比留間英人君) 区市町村の被災者支援への都の取り組みについてでございます。
 阪神・淡路大震災などの教訓を踏まえ、被災後、区市町村が主体的かつ効果的に復興事業を実施できるよう、都は平成二十一年三月、標準的な活動指針となる区市町村震災復興標準マニュアルを策定いたしました。
 その中で、仮設住宅の供給や生活支援対策など、被災者に向けた区市町村のさまざまな取り組みが迅速的確に行えるよう、具体的な手続を時系列で示したところでございます。また、これらの取り組みが総合的、一体的に推進されるよう、震災時における組織体制の整備についても提案をしております。
 現在、十七区が震災復興マニュアルを策定しており、今後、残る区市町村において早期に策定が進むよう、担当者に対する説明会の開催や、区市町村ごとに相談に応じることなどにより、積極的に働きかけてまいります。

   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

◯産業労働局長(前田信弘君) 二点のご質問にお答えいたします。
 観光資源の活用についてでありますが、東京が持つ魅力あふれる観光資源を世界じゅうの方々に知ってもらい、旅行者の誘致につなげていくことは重要であります。
 都はこれまで、旅行者向けにウエブサイトや多言語によるハンディーガイドなどで、東京が有する新旧の多様な観光資源の魅力を発信してまいりました。また、今年度、ロケ地めぐりという新たな視点で東京の魅力を国内外にPRするため、東京ロケ地マップを多言語で作成いたします。
 これは、アジア圏を中心に海外でも人気の高い、日本映画やテレビドラマのロケ撮影が行われた都内施設や風景を題材としたもので、お話の東京タワーを舞台とした人気映画の紹介なども行う予定であります。
 今後も、こうした新旧の貴重な観光資源を積極的に活用し、東京が持つ都市の魅力を世界に発信してまいります。
 次に、国際会議等の開催機会をとらえた東京の魅力発信についてでありますが、お話のタワーに関する国際会議を初め、東京での国際会議の開催は、世界各国から参加者が集まることから、国内外に対し、東京の都市としての国際的な存在感を高めていく絶好の機会であるとともに、訪都外国人旅行者の誘致につながるものであります。こうした機会を活用し、東京が持つ多様な魅力を積極的に発信していくことは、観光振興の視点から重要であります。
 都では、知事の招請状発行や助成制度など、東京観光財団とともに、国際会議の東京誘致に向けた取り組みを展開しております。
 また、東京での国際会議の開催に当たりましては、都が運営する観光ボランティアの派遣、東京観光DVDや滞在中の東京観光に関する情報提供などの各種協力、支援を実施しております。
 東京は、四季を通じていつでも楽しむことができる都市であり、今後も引き続き国際会議等の機会を活用し、東京の魅力あふれるさまざまな顔を世界にPRしてまいります。