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■平成18年 第1回定例会での一般質問(2006年3月1日)

〔二番伊藤興一君登壇〕

◯二番(伊藤興一君) 初めに、少子化対策の一環としての子どもの安全対策について伺います。

 私は、約二十年間、品川区立児童センターを中心に、指導員として青少年の健全育成に携わってきました。その中で痛感したことは、子どもの目線に立つことの大切さであります。
 また、公明党はチャイルドファースト社会の実現を目指していますが、そのためには、ただ単に子ども優先と口にするだけでなく、大人の目線では見えない問題、つまり、子どもの目線を持って初めて発見できる問題の解決にも取り組んでいかなければなりません。
 そこで、子どもの目線に立った子どもたちの安全対策について質問します。
 私は、幼くして子どもを亡くしたご家族の悲しみに何度も出会ってきました。そして、そのたびに、一体何が原因でこんなことになってしまったのかと考えさせられました。
 では、子どもが死亡に至る最大の原因は何かといえば、実は、厚生労働省の人口動態統計、子どもの死亡率の比較によると、交通事故や小さなボールなどの誤飲事故、ふろでの溺水事故など、いわゆる不慮の事故が子どもの死因の第一位に挙げられています。その数は小児がんで亡くなる子どもの二倍に上り、こうした傾向は一九六〇年代から今日まで四十年以上も続いています。この事実は驚くほど知られておらず、乳幼児を持つ保護者でさえも知っているのは全体の五割から六割にすぎないとの調査結果もあります。
 一方、欧米では、既に三十年ほど前から国を挙げて不慮の事故対策に取り組んでいます。病は医学で治療が可能、子どもの事故死を防ぐ対策も急ぐべきであるとし、専門的な調査研究が進められてきました。その結果、今では、子どもの発達や行動パターンをよく分析、理解し、早期に的確な対応をとることで、事故死の大半は防止できるとされています。しかし、我が国では、運が悪かった、親が不注意だったで終わってしまうのが現実です。

 さて、これは幼児視野体験眼鏡といわれるものです。(実物を示す)これを入手したのは、京都市の(京)みやこあんしんこども館においてです。ここは、小児医療の専門的立場から、子どもの事故防止対策に取り組んでいる施設です。私は、先月、視察に行ってまいりました。
 実は、私たち成人した大人は、左右百五十度、上下百二十度の広さの視野があります。しかし、五、六歳の子どもは、左右が九十度、上下は七十度までと、大人の約半分の視野しかありません。そこで、この眼鏡をつけると、大人でも五、六歳の幼児と同じ視野を体験することができます。
 例えば、子どもを連れたお母さんが、横断歩道で、ほら、危ない、車が来ているでしょうとしかる姿をよく見かけます。実は、お母さんに見えている車は、子どもには見えていないのです。
 こうした視野の違いを前提に事故防止策を講じなければなりません。大人と子どもの精神的、身体的な違いをよく認識し、子どもの目線に立って、不慮の事故を防ぐための対策に取り組んでいく必要があります。
 そこで伺います。
 第一に、都は、平成十四年に乳幼児の事故防止指導マニュアルを作成し、事故防止策を講じてきたと聞いていますが、今後は、これらの成果も生かして、総合的な子ども事故防止実践マニュアル等を作成し、あらゆる機会で配布するなど、普及啓発に全力で取り組むべきであります。所見を伺います。
 第二に、現在、各局が個別に行っている不慮の事故対策を一元化し、情報の収集と発信、専門家による子どもの行動の分析と研究、対策の立案などを行う、局横断的な子ども事故防止センターとでもいうべき機関を設置し、具体的な施策を実施すべきであります。所見を伺います。
 第三に、子どもの目線に立って、子どもの安全を阻む死角を東京から取り除くべきであります。まずは公共施設や公園、通学路、交通機関など、まちの全体を子どもの目線から見直し、不慮の事故から子どもたちを守るための環境を整備すべきであります。国に先駆けての子どもの不慮の事故対策を含め、子どもの安全対策全般について知事の所見を伺います。

 次に、発達障害者支援について伺います。
 昨年四月に発達障害者支援法が施行され、これまで制度の谷間にあり、十分な対応がされてこなかった自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、LD、ADHDなどの発達障害に対する支援の充実が期待されています。この支援法では、各都道府県に設置される発達障害者支援センターを核とし、発達障害の早期発見から自立に至るまで、切れ目のない支援体制を整備することとされています。
 私は、先日、都立梅ケ丘病院及び都内の発達障害者支援センターを視察しました。センターでは、四人の職員の方が、東京都全域からの相談を初め本人及び家族に対する直接支援など、各種事業に懸命に取り組まれておりました。しかも、開設当初より日を追うごとに利用者が増大し、一件一件が深刻かつ継続的な相談内容であり、その件数も昨年度で千二十件に及び、とても手が回らない状況でありました。
 一千二百万人都市東京において、増大する発達障害者の支援のために、多摩地域にも支援センターの設置を検討したり、嘱託職員の増員など、センターの体制強化を強く望むものであります。
 また、発達障害児の保護者の方々からは、身近な地域で気軽に相談ができ、支援を受けられる体制が必要との要望が数多く寄せられております。
 そこで伺います。
 第一に、都は、発達障害者支援センターを中核とし、区市町村単位で学校、医療機関、就労支援センター等から成るネットワークを構築し、発達障害者が身近な地域で総合的な支援を受けられる体制の整備に取り組むことが急務であります。所見を伺います。
 第二に、区市町村の支援体制充実のためには、各地域で核となる人材の育成と配置が重要であります。医療、福祉、教育関連など、各分野における発達障害に関する専門的知識を有する人材を育成、配置していくため、知識、理解を深めるための研修や療育を含む具体的、実践的な研修など、多様な研修を実施していくことが必要であります。所見を伺います。

 次に、交通バリアフリー化の促進について伺います。
 本格的な少子高齢化社会を迎えるに当たり、だれもが安心して自由に行動し、暮らすことができる福祉のまちづくりの着実な実現が求められています。特に移動手段である公共交通のバリアフリー化と防災対策は極めて重要であります。
 一方、都営地下鉄では、ホームから地上までエレベーターが利用可能な駅は十六年度末で百六駅中六十四駅であり、整備率は六〇%です。
 そこで伺います。
 第一に、残る駅のバリアフリー化を早期に推進するとともに、火災対策についても取り組みを開始すべきです。所見を伺います。
 第二に、都営浅草線については、特にバリアフリー化が進んでおりません。私の地元である品川区内の都営地下鉄の駅は、都内でも有数な商店街を抱える中延駅や戸越駅があり、他線との乗りかえ駅でもあります。また、JRとの乗りかえ駅となっている五反田駅は一日当たり六万人の利用者があり、高齢者や障害者、子ども連れの人たちからは、一日も早くエレベーターとエスカレーターの設置をとの要望が長年にわたり寄せられています。利用者や地元の方々の意見を尊重しながら、これらの駅のバリアフリー化を早急に実現すべきでありますが、所見を伺います。

 次に、オリンピックに向けた江戸東京の魅力の活用について伺います。
 オリンピック招致に向けては、国内はもちろん、国際的な大都市とも争うこととなるため、東京らしいコンセプトや事業計画を示すことが重要であり、ぜひとも観光都市東京という側面を大いにアピールすべきであります。
 東京の魅力は、一言でいうと多様性です。お台場や六本木という最先端の町並みとともに、浅草や旧東海道の品川といった伝統的な町並みもあります。また、アニメ、漫画といったポップカルチャーに対して、歌舞伎や相撲といった文化もあります。さらに、ロボットや電子製品といった最先端のものづくりとともに、扇子や日本人形といった伝統工芸もあり、こうした東京の歴史と未来のコントラストや調和の魅力を大いにアピールすべきであると思います。
 知事は、施政方針表明の中で、江戸で醸成された江戸しぐさについて述べられ、他人を思いやる江戸の人々の心の伝統について触れられました。それに加えて、東京が江戸と呼ばれていた時代を今に伝える町並みを保存し、そこで伝統的文化に直接触れる機会を提供できれば、大変にすばらしいことであります。  そのために、日本をリードする近未来型の都市整備を重点的に進めるとともに、江戸の歴史を今に伝える町並み、文化、ものづくりなど、生きた江戸の保存と再生を図るため、江戸再生プロジェクトを立ち上げるべきであります。オリンピック招致のため、生きた江戸、多彩な東京の魅力を際立たせる局横断的な取り組みが必要と考えます。

 知事に所見を伺い、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


   〔伊藤興一議員、知事に実物を渡す〕
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

◯知事(石原慎太郎君) 伊藤興一議員の一般質問にお答えいたします。
 子どもの安全対策についてでありますが、この箱眼鏡、本当に思いますね、経験を踏まえた非常に具体的な事例を挙げて、大変暗示的な質問でありました。こういうものは、簡単ですが、親は知らないんですからね。こんなものは情報としてこれからも定期的に伝えていったらいいと思いますね。これは本当に案外盲点だと思いますよ。
 いずれにしろ、次の時代を担う子どもたちは社会の宝でありまして、そのとうとい命を、まさに不慮の事故を初め親の無知もあることなんでしょうけれども、あらゆる危険から守ることは、親はもちろん、我々大人に課せられた責務であると思います。
 大都市東京は非常に複雑な都市構造を有しておりまして、また、交通量が極めて多いなど、子どもにとって、大人が想像し得ない危険が存在していると思います。
 都はこれまで、子どもたちの安全を確保するため、安心して外出できるまちづくりの推進や、先日作成しました車に張る防犯ステッカーの取り組みなど、地域と連携した施策を総合的に展開してまいりました。
 今後とも、地域住民や行政、学校、警察、企業の総力を結集して、この東京を、将来を担う子どもたちが安心して行き来し、暮らせるまちにしていきたいと思っております。
 次いで、オリンピック招致に向けた取り組みでありますが、IOCのオリンピック開催都市の選考に当たっては、競技環境のみならず、開催する都市の魅力も大きな要素となっております。そういう意味で、東京は、高度な都市機能の集積や極めて正確な交通網、安全で清潔な都市空間、さらにはご指摘のように、江戸から今日まで続いて育まれてきました独創的な文化や他人を思いやる伝統など、他の都市にもない多彩な特徴を有しております。
 広範囲にわたる東京の魅力をさらに高めて発信していくため、まちづくり、産業、文化、観光などさまざまな視点から施策に取り組み、オリンピックの招致を実現していきたいと思っております。
 他の質問については関係局長から答弁します。

   〔福祉保健局長平井健一君登壇〕

◯福祉保健局長(平井健一君) 子どもの安全対策など四点のご質問にお答えいたします。
 まず、子どもの不慮の事故防止についてでございます。
 子どもの死亡原因の上位を占める不慮の事故を未然に防ぐためには、子どもの年齢や発達段階に応じたきめ細かな事故防止策が必要でございます。
 都は、これまで年齢別事故防止リーフレットを作成いたしまして、乳幼児健診等の機会に保護者に配布いたしますとともに、指導者用マニュアルを作成するなどの普及啓発にも努めてまいりました。
 また、小児救急電話相談シャープ八〇〇〇番を実施するなど、広く都民に対する相談支援体制を整備してきたところでございます。
 今後、ご指摘の保護者向けマニュアルにつきましても検討を行いまして、リーフレットの配布を子ども家庭支援センターや児童館などへ広げるとともに、不慮の事故を防止できる有益な情報を新たにホームページに掲載するなど、これまで以上に積極的な普及啓発に努めてまいります。
 次に、安全確保に対する局横断的な取り組みについてでございますが、子どもの健やかな成長のためには安全が十分に確保されていることが不可欠でございまして、そのためには、ご指摘のとおり、福祉保健分野にとどまらず、都市整備や教育などさまざまな行政部門による総合的な取り組みが必要でございます。
 都はこれまでも、子どもの安全確保に関しまして、ユニバーサルデザインを基本としたまちづくりや保健所による普及啓発など各種施策を積極的に推進してまいりました。現在、福祉保健、教育、警察の各部門が連携し、子どもと家庭を総合的に支援する拠点といたしまして、仮称でございますが、子ども家庭総合センターの整備を予定しているところでございまして、その中で、お話の子どもの安全確保に向けた対応についても検討してまいります。
 次に、区市町村における発達障害者の支援体制の整備についてでございますが、乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応する一貫した支援を発達障害者に対して行うためには、ご指摘のとおり、区市町村単位で関係機関がネットワークを構築することが重要でございます。このため、都は、日常的に利用が可能な学校、保健所、医療機関、就労支援センター等が連携し、個々の発達障害の状態に応じましたきめ細かな支援を行うモデル事業を昨年十月から世田谷区で開始したところでございます。
 今後、ネットワーク構築のためのノウハウや、個別支援計画の作成手法など、モデル事業で得られました成果を取りまとめ、広く紹介することにより、他の区市町村での取り組みを働きかけてまいります。
 最後に、多様な研修の実施についてのお尋ねでございますが、発達障害者の支援のためには、保健所、学校、保育所等、関係機関における職員の知識と技術を向上させることが重要でございます。
 都は、現在、保健師や保育士などを対象といたしました母子保健研修の中で、発達障害を正確に理解するための基礎的な研修を実施いたしますとともに、発達障害者支援センターにおきまして、区市町村等からの個別の要望に対応して、普及啓発研修を開催しておるところでございます。
 今後は、こうした取り組みに加えて、具体的な療育相談の事例を取り入れました実践的研修を充実するなどによりまして、体系的かつ多様な研修を実施してまいります。

   〔交通局長松澤敏夫君登壇〕

◯交通局長(松澤敏夫君) 都営地下鉄駅のバリアフリー化の促進に関する二点のご質問についてお答えいたします。
 まず、都営地下鉄駅のバリアフリー化と火災対策についてでございますが、交通局では平成二十二年度までに全駅でエレベーターによるホームから地上までの一ルート確保を目指しまして、整備条件の整った駅から順次事業を進めてきております。
 残る駅の整備に当たりましては、主にエレベーター出入り口の用地確保が課題であることから、公園等の公共用地を利用するほか、民有地の取得やビルの合築など、多様な手法を通じて事業を推進してまいります。
 また、火災対策につきましても、排煙口など地上施設が必要なことから、エレベーターとの一体的な整備を進め、工期短縮やコスト縮減を図るなど、両事業の効率的な執行に努め、今後とも早期完了に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、都営地下鉄浅草線戸越駅外二駅のバリアフリー化についてでございますが、お尋ねの戸越駅は本年度末、中延駅は平成十八年度中に、それぞれホームから地上までのエレベーター二基の設置工事に着手いたします。
また、五反田駅につきましては、既にホームからコンコース階までのエレベーターは設置済みでございますが、未整備のコンコース階から地上へのエレベーターにつきましては、JR五反田駅東口のJR用地内に設置する計画となっております。
 現在、JR五反田駅の整備計画との整合を図りながら、道路管理者や品川区と協議を進めているところでございまして、ご指摘のとおり、近々、地元の方々にも計画案を提示し、早期の事業化を図ってまいります。